歯根端切除術(難治性の根尖性歯周炎の治療)
- 2022年10月20日
- 根管治療(歯の神経の治療)
おはようございます。長居公園通りとくだ歯科 院長の徳田です。
以前のブログで
根管治療の成功率は、根管治療で80-90%、再根管治療で70%と言われていますと述べさせていただきました。
それでは治らない残りの10-30%はどうすれば良いのか。
結論を申しますと、感染している歯の根の先を切除することになります。
外科処置になります。
治療名は歯根端切除術になります。
根尖性歯周炎の最後の治療になります。歯根端切除術まで行っても治らなければ抜歯になります。
症例を提示します。
症例は以前勤めていた、歯科クリニックでの症例になります。
50代女性の例です。左上の犬歯の辺りの歯茎が腫れたことを主訴に来院されました。
レントゲンを撮ります。
すると、左上犬歯の根の先に透過像(赤い矢印)が認められました。
腫れの原因は左上犬歯の根の先であることが分かりかました。
根尖性歯周炎と診断し、再根管治療を行いました。
これで治療は終了しました。
その後、3ヶ月に一度の定期検診に来ていただきており、問題なく経過しておりました。
治療後2年経った頃に、左上の犬歯の辺りの歯茎がまた腫れてきたとおっしゃいました。
当時のレントゲンが私の手元にないため、お示しすることはできませんが、
レントゲンで根尖部の透過像が小さくなっておらず、改善が認められなかったため、歯根端切除術を行いました。
まずは、歯茎を切開剥離し、感染源の根の先を明示しにいきます。
根の先を切除します。
根の断面にひび割れが入ってないかなどを確認します。
問題がなかったので、根の先をセメントで埋めて(逆根管充填)、歯茎を縫合して戻します。
術後のレントゲンです。
さらに半年後のレントゲンです。
レントゲン状で根の先の透過像が小さくなっているのがわかると思います。
完全に治るまでにはもう少し時間がかかりそうです。
歯根端切除術の紹介でした。
長居公園通りとくだ歯科
院長 徳田